仕事中イライラすることってけっこうありますよね。
自分の仕事が遅くてイライラしたり、同僚の対応にイライラしたり・・・。
そもそも何でイライラするのかわからない時だってあります。
イライラを抑えて発散できていれば良いですが、そのまま放置するとストレスがたまる一方です。
そこで今回は仕事中のイライラの原因とその対策についてご紹介します。
ご紹介する内容は私が管理職として学び実践していたことで実用性が高いと思いますので、是非最後まで読んでいってください。
仕事でイライラする原因
原因①:仕事の量が多い・難易度が高い
仕事の量が多かったり、難易度が高いとなかなか捗らずイライラするでしょう。
残業も多くなると心の余裕もなくなっていき、さらにイライラが募ってしまいます。
中には「なんでこんなに自分は要領が悪いんだ」と責めてしまうこともあるかもしれません。
原因②:人間関係
仕事をしているとどうしても合わない人がいたり、同僚や上司・後輩のちょっとした言動にイライラしてしまうことがあるでしょう。
人間関係においては自分と他者の価値観のずれでイライラを誘発します。
プライベートであれば価値観の合わない人とは距離を置くことができますが、仕事では完全に関りを断つことが難しいため、日々のイライラが積み重なりストレスに繋がるケースが多いでしょう。
原因③:プライベートでの欲求が満たされていない
家で十分に眠れていなかったり、食事が摂れていなかったりすると当然仕事には身が入りません。
また、家族関係に悩んでいたり失恋したときも仕事に集中できずイライラするかもしれません。
人間の欲求には「マズローの欲求5段階説」という考え方があり、 生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求の5つからなるとされています。
個々の欲求の詳細については以下の通りです。
- 自己実現欲求:自分が満足できる自分になりたいという欲求。例)自分らしく生きたい
- 承認欲求:他者から認められたいと願う欲求。例)会社の人に尊敬されたい
- 社会的欲求:集団に所属したり仲間を得たいという欲求。例)家族や友人、会社から受け入れられたい
- 安全欲求:心身の安全が確保された生活を送りたいという欲求。例)住・労働環境の整備
- 生理的欲求:人間が生きていくための基本的かつ本能的な欲求。例)食欲や睡眠欲、排泄欲
低次の生理的欲求・安全欲求が満たされると一段階上の欲求が高まり、欲求を満たすための行動を起こすと言われています。
この理論から考えると、そもそも寝られない・食べられないといった生理的欲求が満たされていないと社会的・承認欲求は湧かず仕事に打ち込むことは困難です。
仕事でのイライラを抑える方法
対策①:生理的・安全欲求を満たす
仕事でのイライラを抑える方法の1つ目は生理的・安全欲求を満たすことです。
もし睡眠や食事の時間を確保できていないのであれば、まずは十分な睡眠・食事を摂り生理的欲求を満たすことを最優先にしてください。
生理的欲求が満たされていない状態だと健康状態にも影響を及ぼし仕事を行うどころではありません。
生理的欲求を自分でコントロールすることができないのであれば、仕事の量を見直す必要があります。
上司に相談し調整してくれないようであれば、労働環境に問題があり安全欲求を満たせる職場ではないのかもしれません。
その場合は自分の身を守るためにも部署異動や転職を考えた方が良いでしょう。
対策②:タスク・スケジュール管理を見直す
仕事でのイライラを抑える方法の2つ目はタスク・スケジュール管理です。
生理的・安全欲求が満たされた状態で、適切な仕事量であると考えられる場合はタスク・スケジュール管理を見直すと良いでしょう。
人はたくさんのタスクが溜まるとイライラしたりストレスを感じるものです。
ここで大事なのは「どんな状況にイライラしているのか」自己分析することです。
漠然とイライラを感じるのではなく「このタスクがあるからイライラするんだ」と自分の状況や傾向をしっかり把握することが重要です。
しっかり自己分析が出来たらイライラの元となるタスクを片付けるスケジュールを立てPDCAを回していきます。
中には特定のタスクではなく「タスクが溜まっている」状況にイライラする人もいるでしょう。
その場合はタスクを早く減らすために簡単なタスクから取り掛かることをおすすめします。
人によっては状況分析しタスク整理やスケジュールを立てるだけでイライラが軽減できると思います。
対策③:アンガーマネジメントを行う
仕事でのイライラを抑える方法の3つ目はアンガーマネジメントです。
アンガーマネジメントとはその名の通り「怒りをコントロールするスキル」のことです。
怒りのメカニズムを理解しアンガーマネジメントを駆使することで劇的にイライラを感じにくくなります。
まずはイライラの正体について理解していきましょう。
図にある通り、「こうあるべき」という自分の理想が現実で裏切られた時にイライラという感情が生まれます。
つまり期待が大きく・多いほど理想と現実のギャップが大きくなりイライラを感じやすくなります。
次に怒りはどのように生まれるのでしょうか。
これもわかりやすいように図解してみました。
日々のイライラや不満などの感情(一次感情)はコップの水のように溜まっていきます。
そしてその水(イライラ)がコップからあふれ出た時に感じる感情(二次感情)が怒りです。
では、実際に怒りをコントロールするにはどうしたら良いでしょうか。
イライラが溜まるコップの許容量は人によって違います。
そのため、コップにイライラを溜めにくくすることが怒りをコントロールする鍵となってきます。
そのイライラを溜めにくくする方法とは・・・
「こうあるべき」という自分のこだわりを減らすこと
「こうあるべき」というこだわりは自分だけの価値観です。
自分にとっては当たり前のことでも、他者には別の価値観があってその当たり前は通用しません。
言い方は悪く感じるかもしれませんが、「他者に期待しないこと」こそがイライラという感情を生まないポイントとなるのです。
そうは言っても、慣れていない人にとってはこれを漠然と実践するのは難しいですよね。
そこで、簡単にできるアンガーマネジメントの方法についていくつかご紹介します。
- アンガーログ
- これはその名の通り、怒りを感じた日時や程度、内容を記録することです。自分が怒りを感じやすい状況やパターンを把握することで対策を検討することができます。
- ストレスログ
- ストレスの原因となっている事柄を「自分に変えられるか・変えられないか」「重要か・重要でないか」に分類します。ストレスコントロールの可否について見極めることで、自分でコントロールが難しい事柄へのストレスを軽減させることができます。
- べきログ
- 自分の中の「こうあるべき」というこだわりを書き出して価値観を明確にします。そうすることで自分がどのような時にイライラを感じやすいのか把握することができます。
- ストップシンキング
- 一般的に人は怒りを感じてから冷静に考えられるようになるまで6~10秒かかると言われています。カッとなりやすい人は一度思考を止め6~10秒カウントダウンすることを習慣化するといいでしょう。
- コーピングマントラ
- これは「コーピング」=問題に対処する、「マントラ」=呪文の2つの言葉からできています。自分を落ち着かせるために「まあいいか」「大丈夫」などの言葉を唱える手法です。
- タイムアウト
- 感情のコントロールが難しそうな場合、その場を離れて気持ちを落ち着かせるテクニックです。
この中でも特に実践して頂きたいのは、「アンガーログ」「ストレスログ」「べきログ」です。
自分の傾向を知り分析することで、イライラ(一次感情)の軽減に繋がるでしょう。
まとめ
イライラや怒りの感情は仕事のモチベーションを下げたり他者から見た印象も悪くなるだけでなく、自分の健康にも影響を及ぼしかねないため、日々改善に取り組む必要があると言えます。
自身の感情をコントロールすることは、仕事の効率を上げたり人とのコミュニケーションがスムーズになるといったメリットもあります。
そのため、管理職だけではなく一般職の方もビジネススキルとして感情のコントロールを学ぶことで自身のスキルアップに繋がりますよ。
是非これを機会に学んでみてはいかがでしょうか。